消費されるエコ

最近の車や家電のCMをみてても思ったがやはり「エコ」を売りにした商品が多い。
これって凄いことだな。

何でかって言うと
●より「エコ」であること、が消費の理由として組み込まれ始めた
って事だ。

原初の資本主義においては
商品は要はその性能さえ追求して作れば売れた。
車なら「走れる」
服なら「着れる」
といった具合に。

ところが、
資本主義は進化してもっと消費させる為に、
機能からは離陸した「新しさ」を企業は追及し始めた。
つまりは
「よりデザインがいい」車、服
といった具合に。

本来の「走る」「着る」機能を置いてけぼりにして、消費の理由として
●前のよりも新しい
というニーズを消費者に与えた。

見田宗介によれば最初にこれをやったのはGM

本来は車の製品としての機能だけを追求しても自ずと限界はすぐに来る。
速度も燃費も値段もどっかで限界が来る。
特に「買い替え」を促すような理由を無限に生み出すことは出来ない。
けどデザインだけは別
「新しいデザイン」は無限に発生しうるので
常に前年のデザインを否定し続けていれば無限に「新しさ」を創出できる

こうして「新しさ」だけを追求することで消費は無限に拡大できる。

ただ当然これにも限界はあって
すなわち生産の為の資源の限界と廃棄のコストの限界だ。

それをどう乗り越えるかが20世紀終盤の資本主義の課題だった。

そしてこの課題は克服された
いつの間にか
●「エコである」ので消費しよう
という動機付けを消費者にさせることで。

すなわち地球資源の限界を、消費のシステムに組み込んで解決しようとしているのだ。

今後は
●デザインも性能も全く変わりないが、前の商品よりも「エコ」なので買い換えましょう
という商品がどんどん出てくる。

これって凄いことだよ。

そして、かなりの偽善を感じる。

なんでかって?

真のエコとは、
・一度買ったら50年は乗れる車
・一度着たら一生飽きない服
・孫の代まで使える洗濯機
・200年住める住宅
・永遠に新しいバージョンの出ないOS
・これ以上アップデートの必要がないセキュリティ対策ソフト
・日が沈んだら寝て、日が起きたら起きて、電気は極力使わない。

すなわち
●必要以上消費しなくて済む。のが真のエコ

ふつーに考えればそうだろう。
人間が消費する量を減らせば当然資源の限界にも、廃棄のコストも対処できる。

けど

●いやいや、消費すればするほどエコになるんです。

と言われている。

どうかな。

「買い替え続ける」事を前提としたシステムでは
いつの日か省エネ技術も限界に達するだろう。

という理由により、
コンビニの袋は必ずもらう事にしている。

余談だけど
「200年住める住宅」
ってのはマジで政府で研究されている。最近全く聞かないが、俺は最重要課題と考えてる。
是非やって欲しい

概ね35年後に価値の無くなる持ち家なんて賃貸と何が違うんだ。